IT補助金比較
IT補助金2026年完全ガイド【3種類を徹底比較】
IT導入・ものづくり・持続化
補助金ナビ編集部 最終更新:2026年7月3日
この記事のポイント
IT・デジタル投資に使える主な補助金は「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」の3種類。2026年度は最大450万円(デジタル化・AI導入・通常枠)〜最大3,000万円(ものづくり・グローバル枠)の補助が受けられます。それぞれの違いと選び方を、現行制度の公式値にもとづいて解説します。
IT・デジタル投資に使える3制度の全体像
「IT化・デジタル化を進めたいが、どの補助金を使えばよいかわからない」という声は非常に多くあります。IT・デジタル投資に使える主要な補助金は国だけで3種類あり、それぞれ対象・補助額・用途が異なります。自社の規模・目的・予算に応じて最適な制度を選ぶことが採択への近道です。
なお「IT導入補助金」は2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」へ名称変更されました(正式事業名:中小企業デジタル化・AI導入支援事業)。まず全体像を把握し、自社に合う制度を絞り込みましょう。
| 制度名 | 主管省庁 | 補助上限額 | 補助率 | 主な対象 |
デジタル化・AI導入補助金 (旧:IT導入補助金) | 経済産業省 (中小機構) | 最大450万円 (通常枠) | 最大4/5 (インボイス枠・小規模) | 登録されたITツール・ソフトウェア導入 |
| ものづくり補助金 | 経済産業省 | 最大3,000万円 (グローバル枠) | 1/2〜2/3 | 革新的な製品開発・システム開発・設備投資 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 中小企業庁 | 50万円 (特例で最大250万円) | 2/3 | 小規模事業者の販路開拓・デジタル化 |
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト/ものづくり補助金 総合サイト「第23次公募要領」/中小企業庁「小規模事業者持続化補助金」概要(各出典URLは記事末尾に記載)。上限額・補助率は枠・従業員規模により異なります。
デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)
デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者が自社の課題解決に合ったITツール(ソフトウェア・サービス)の導入を支援する補助金です。2026年度から「IT導入補助金」を名称変更した制度で、現在は「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)」「セキュリティ対策推進枠」「複数者連携デジタル化・AI導入枠」の5つの申請枠に再編されています。かつての「A・B類型」「デジタル化基盤導入枠」という区分は廃止され、通常枠・インボイス枠へ整理されました。
2026年度の主な申請枠
| 申請枠 | 補助上限額 | 補助率 | 対象 |
| 通常枠 | 5万円〜150万円未満(1プロセス以上) 150万円〜450万円以下(4プロセス以上) | 1/2以内 (小規模2/3以内) | 業務効率化・デジタル化全般のソフト |
インボイス枠 (インボイス対応類型) | ソフト〜350万円 PC・タブレット〜10万円 レジ・券売機〜20万円 | 50万円以下の部分3/4以内 (小規模4/5以内) | インボイス対応の会計・受発注・決済ソフト等(ハードも対象) |
| セキュリティ対策推進枠 | 5万円〜150万円 | 1/2以内 | IPA「お助け隊サービスリスト」掲載のセキュリティ対策サービス |
| 複数者連携デジタル化・AI導入枠 | 合計3,000万円 (事務費等200万円) | 枠に準ずる | 複数の中小・小規模事業者が共同で取り組む地域DX |
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠/インボイス枠〔インボイス対応類型・電子取引類型〕/セキュリティ対策推進枠/複数者連携枠)。「プロセス」とは会計・受発注・決済等の業務工程を指します。枠別の詳しい選び方は枠の選び方ガイドで解説しています。
IT導入補助金で導入できる主なツール
- 会計・経理ソフト(クラウド型・インボイス対応)
- 受発注・在庫管理システム
- 顧客管理(CRM)・営業支援(SFA)ツール
- 勤怠管理・シフト管理システム
- ECサイト構築・予約管理システム
- 給与計算・人事管理ソフト
枠の選び方の基本
インボイス対応の会計・受発注・決済・ECソフトを入れるならインボイス枠(インボイス対応類型)が有利です(補助額50万円以下の部分は補助率3/4、小規模事業者は4/5と最も高く、PC・レジ等のハードウェアも一緒に申請できます)。それ以外の業務効率化・デジタル化全般のソフトは通常枠、サイバーセキュリティ対策サービスはセキュリティ対策推進枠が基本の選び方です。
なお交付決定は「申請すれば必ず通る」ものではありません。公式公表値(2026年度1次締切分)から当ナビ編集部が算出した交付決定率は、通常枠43.9%・インボイス枠(対応類型)46.9%・セキュリティ対策推進枠72.7%で、3枠合計46.3%でした。事業計画書(生産性向上の根拠)の完成度が採否を分けます。
ものづくり補助金(システム開発・高度なIT投資)
ものづくり補助金は設備投資が中心のイメージがありますが、革新的な製品・サービス開発の一環としてのシステム開発・AIツール導入なども対象になります。単なるパッケージソフトの購入ではなく、革新的なビジネスモデルの転換や生産性向上を目的とした投資に向いています。2026年の第23次公募時点では、補助枠は「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2つで募集されています(かつて設けられていた「DX枠」「デジタル枠」等の区分は現行制度では再編されています)。
現行枠の特徴(第23次公募)
- 製品・サービス高付加価値化枠:補助上限 750万円〜2,500万円(従業員規模により異なる)
- グローバル枠:補助上限 3,000万円(海外需要の開拓を伴う取組が対象)
- 補助率:中小1/2・小規模2/3
- 必要書類:事業計画書(革新性・実現可能性を記載)
デジタル化・AI導入補助金と異なり、登録済みITツールの購入だけでは対象になりません。革新的な新製品・新サービス開発や生産プロセス改善に資する取組であることが求められ、審査を経て採択が決まります。そのため、申請のハードルはデジタル化・AI導入補助金より高くなります。なお、人手不足解消のための省力化投資は、現在はものづくり補助金とは別制度の「中小企業省力化投資補助金」が受け皿となっています。制度の詳細はものづくり補助金2026年度申請ガイドをご覧ください。
小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者(製造業等20名以下・商業・サービス業5名以下)が販路開拓や業務効率化に取り組む費用を支援する制度です。デジタル化に特化した専用枠はありませんが、一般型・通常枠のなかで、ホームページ・ECサイトの制作などのデジタル投資に活用できます。補助上限は50万円(補助率2/3)で、インボイス特例・賃金引上げ特例を組み合わせると最大250万円まで上乗せされます。創業後3年以内の方は補助上限200万円の「創業型」も利用できます。
デジタル投資に使える主な用途(一般型・通常枠)
- 販売促進のためのWebサイト・ECサイト・ネット予約システムの構築・改善
- 販促用チラシ・広告など販路開拓の取組(広報費)
- 業務効率化のための機械装置・システム導入
- 展示会出展・店舗改装など販路開拓に資する取組
ウェブサイト関連費には上限があります
ホームページ・ECサイト・ウェブ広告等の「ウェブサイト関連費」は、補助金交付申請額の1/4が上限で、この費目のみでの申請はできません(販路開拓の他の取組と組み合わせて申請する必要があります)。デジタル投資だけを目的にするなら、専用のデジタル化・AI導入補助金の方が適する場合があります。
採択率は公募回によって大きく変動し、直近4回(第14〜17回)は中小企業庁の公表値から算出すると37〜62%(62.5%→41.8%→37.2%→51.1%)でした。事業計画書の作成量は他制度より少なく、商工会・商工会議所のサポートを受けながら申請できるため、小規模事業者が初めて補助金に挑戦する際に入門しやすい制度のひとつです。制度の詳細は小規模事業者持続化補助金2026年度ガイドをご覧ください。
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3制度を徹底比較
3制度の違いを一覧で比較します。自社の規模・目的・投資額に応じて最適な制度を選びましょう。
| 比較項目 | デジタル化・AI導入補助金 (旧:IT導入補助金) | ものづくり補助金 | 持続化補助金 (一般型・通常枠) |
| 補助上限額 | 最大450万円(通常枠) | 最大2,500万円(高付加価値化枠) /3,000万円(グローバル枠) | 50万円(特例で最大250万円) |
| 補助率 | 最大4/5(インボイス枠・小規模) | 中小1/2・小規模2/3 | 2/3(赤字事業者は3/4) |
| 対象企業規模 | 中小企業・小規模事業者 | 中小企業・小規模事業者 | 小規模事業者のみ |
| 申請のしやすさ | ★★★(登録ベンダーが支援) | ★(事業計画書の審査が厳しい) | ★★★(入門しやすい) |
| 採択・交付決定の目安 | 交付決定率46.3% (2026年度1次締切分・独自集計) | 採択率31〜37%台 (直近18〜22次) | 採択率37〜62% (第14〜17回) |
| 対象費用 | 登録ITツール・ソフトウェア | 設備・システム開発等 | 販路開拓全般(ウェブ関連費は1/4上限) |
| 申請方法 | 登録ベンダーと共同でJグランツ | Jグランツ(電子申請) | 商工会議所の支援+Jグランツ/郵送 |
| GビズID | 必要 | 必要 | Jグランツ利用時は必要(郵送は不要) |
※交付決定率・採択率はいずれも公式公表値をもとに当ナビ編集部が算出。デジタル化・AI導入補助金は「採択率」ではなく交付申請数・交付決定数が公表されます。数値の根拠は各制度の個別記事および記事末尾の出典をご確認ください。
自社に合う制度の選び方
3制度の選び方を具体的な状況別に整理します。
デジタル化・AI導入補助金が向く場合
会計・勤怠・在庫など業務系ソフトを導入したい。インボイス対応が急務。登録済みのSaaS・クラウドサービスを検討中。
ものづくり補助金が向く場合
独自システムの開発・大規模な設備投資(数百万円以上)を予定。革新的な新製品開発や業務プロセスの抜本的な変革を目指している。
持続化補助金が向く場合
従業員5名以下の小規模事業者。ECサイトやWebサイトを販路開拓の一環として整備したい。初めての補助金申請で申請ハードルを低くしたい。
投資額別の選び方
- 50万円未満:持続化補助金(一般型・通常枠)またはデジタル化・AI導入補助金 通常枠(1プロセス)
- 50万〜200万円:デジタル化・AI導入補助金 通常枠またはインボイス枠
- 200万〜450万円:デジタル化・AI導入補助金 通常枠(4プロセス以上)またはものづくり補助金
- 450万円以上:ものづくり補助金(高付加価値化枠・グローバル枠)
※持続化補助金でウェブサイト関連費を使う場合は補助金交付申請額の1/4が上限で、この費目のみでの申請はできません。デジタル投資が中心ならデジタル化・AI導入補助金の方が適する場合があります。
申請時期・スケジュール
各制度の2026年度スケジュールの目安です。公募回・締切は随時更新されるため、補助金ナビの最新情報でご確認ください。
| 制度名 | 公募頻度 | 交付決定・採択発表 | 補助事業実施期間 |
| デジタル化・AI導入補助金 | 年複数回(随時) | 申請締切から約1〜1.5ヶ月後(交付決定) | 交付決定〜事業実施期限(枠により異なる) |
| ものづくり補助金 | 年数回程度 | 締切から約2〜3ヶ月後 | 交付決定〜約10〜12ヶ月 |
| 持続化補助金 | 年数回程度 | 締切から約2〜3ヶ月後 | 交付決定〜約8ヶ月程度 |
※公募回・締切・実施期限は随時更新されます。上表は目安です。各制度の確定した最新スケジュールは、記事末尾の出典(各公式サイト)でご確認ください。
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補助金の選定・公募開始を確認
補助金ナビや各省庁の公式サイトで公募開始情報を確認。公募は突然始まるため、アンテナを張っておくことが重要です。
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GビズIDプライムの取得
発行まで2〜3週間かかります。公募開始前に取得しておきましょう。デジタル化・AI導入補助金とものづくり補助金は必須です。持続化補助金も電子申請(Jグランツ)を利用する場合はGビズIDが必要です(郵送申請なら不要)。
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デジタル化・AI導入補助金の場合:ITベンダー登録確認
デジタル化・AI導入補助金は「IT導入支援事業者(登録ベンダー)」が登録したツールのみ対象です。導入予定ツールが登録済みかを事前確認してください。
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申請書類・事業計画書の作成
特にものづくり補助金は事業計画書の質が採否に直結します。商工会議所・支援機関に相談することをお勧めします。
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採択通知・交付決定を受けてからツール発注
採択前の発注・契約・支払いはすべて補助対象外になります。順番を厳守してください。
よくある質問(FAQ)
デジタル化・AI導入補助金とものづくり補助金を同時に申請できますか?
同一の機器・ソフトウェアに対して重複申請することはできません。ただし異なる設備・ツールに対してそれぞれ申請することは可能です。たとえば、ものづくり補助金で生産管理システムを開発し、デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)で会計ソフトを導入するという組み合わせは認められるケースがあります。
フリーランス(個人事業主)でもデジタル化・AI導入補助金を申請できますか?
はい、申請可能です。デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)は個人事業主も対象です。ただし開業届を提出している事業者が対象で、副業や趣味の範囲での活動は対象外です。GビズIDプライムの取得が必要なため、事前に準備しておきましょう。
デジタル化・AI導入補助金でパソコン・ハードウェアは補助されますか?
原則としてソフトウェア・クラウドサービスが主な補助対象です。ただし「インボイス枠(インボイス対応類型)」では、インボイス対応ソフトと合わせてPC・タブレット等(上限10万円)やレジ・券売機(上限20万円)といったハードウェアも補助対象になります。導入予定のツールがどの枠の対象になるかは登録ベンダー(IT導入支援事業者)に確認するとよいでしょう。
デジタル化・AI導入補助金の採択率(交付決定率)はどのくらいですか?
この補助金では「採択率」ではなく交付申請数・交付決定数が公式に公表されます。公式公表値(2026年度1次締切分)から当ナビ編集部が算出した交付決定率は、通常枠43.9%・インボイス枠(対応類型)46.9%・セキュリティ対策推進枠72.7%で、3枠合計46.3%でした。枠や公募回によって変動し、事業計画書の完成度が採否を分けます。IT導入支援事業者と十分に相談し、申請書類の不備をなくすことが重要です。
持続化補助金に「デジタル化枠」はありますか?
現行の小規模事業者持続化補助金には、デジタル化に特化した専用枠はありません。募集は「一般型・通常枠」(上限50万円/特例で最大250万円)と、創業後3年以内の事業者向けの「創業型」(上限200万円)が中心です。ホームページ・ECサイトなどのデジタル投資は、一般型・通常枠の「ウェブサイト関連費」で対応できますが、補助金交付申請額の1/4が上限で、この費目のみでの申請はできません。デジタル投資が中心ならデジタル化・AI導入補助金の利用を検討しましょう。
ものづくり補助金でSaaS・クラウドサービスの利用料は補助されますか?
クラウドサービス利用費は補助対象になります。ただし補助事業期間中の分のみが対象で、継続的なサブスクリプション費用は補助期間終了後は自己負担となります。導入後のランニングコストも含めた資金計画を立てることが重要です。対象経費の詳細は最新の公募要領でご確認ください。
IT補助金の申請に専門家(ITベンダー・コンサル)は必要ですか?
デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)は「IT導入支援事業者(登録ベンダー)」との共同申請が必要です(複数者連携枠を除く)。ITベンダーが申請を主導するケースが多く、事業者側の作業負担は比較的少なめです。持続化補助金は商工会・商工会議所の支援(事業支援計画書の発行)を受けることが申請条件です。ものづくり補助金は自己申請も可能ですが、認定支援機関・専門家の相談利用を強くお勧めします。
補助金を受給した後にシステムを解約・乗り換えると問題になりますか?
補助事業期間終了後に事業を継続する義務(収益納付・財産処分制限)があります。補助金額が大きい場合(ものづくり補助金等)は補助事業終了後5年間の状況報告が義務付けられ、廃業・事業転換する場合は事前の届出が必要です。補助金受給後の経営計画もあわせて検討しておきましょう。
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出典・参考
※交付決定率・採択率は各公式の公表値をもとに当ナビ編集部が算出したものです。上限額・補助率・要件は公募回によって変更される場合があります。申請前に必ず各公式サイトの最新情報をご確認ください(本記事の内容は2026年7月時点)。
※本記事の情報は2026年7月時点のものです。補助金の内容・要件は変更される場合があります。申請前に必ず公式ポータルの最新情報をご確認ください。