小規模事業者持続化補助金2026年度ガイド
対象者・補助率・申請手順を徹底解説

この記事のポイント
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者・個人事業主が販路開拓や業務効率化に取り組む費用を支援する制度です。一般型・通常枠の補助上限は50万円(補助率2/3)ですが、インボイス特例・賃金引上げ特例を組み合わせると最大250万円まで上乗せされます。創業後3年以内の方は補助上限200万円の「創業型」も利用できます。申請窓口が商工会・商工会議所であることが特徴で、書類作成のサポートも受けられます。

小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金(以下「持続化補助金」)は、中小企業庁が所管し、全国商工会連合会・日本商工会議所が事務局を担う補助金です。小規模事業者が自社の経営を見直し、販路開拓や業務効率化に取り組む費用の一部を補助することで、事業の持続的な発展を支援します。

ものづくり補助金やIT導入補助金と比べて申請要件がシンプルで、申請書類も比較的少ないため、補助金申請の「入門」として活用しやすい制度です。商工会・商工会議所の窓口で申請サポートが受けられる点も大きなメリットです。

持続化補助金の4つのメリット

個人事業主も対象

開業届を提出している個人事業主・フリーランスも申請できます。法人格がなくても利用可能です。

幅広い用途に使える

チラシ制作・ホームページ作成・展示会出展・機械装置の購入など、販路開拓に関する多様な経費が対象です。

申請書類が比較的少ない

他の補助金と比べて必要書類が少なく、商工会・商工会議所のサポートを受けながら申請できます。

年に複数回の公募

1回の公募で採択されなくても、年に数回の公募機会があるため再チャレンジしやすい制度です。

補助内容(一般型・通常枠/創業型)

令和6年度補正予算以降の持続化補助金は、従来の複数の特別枠(賃金引上げ枠・卒業枠・後継者支援枠など)が整理され、「一般型・通常枠」と、創業後3年以内の事業者向けの「創業型」を中心とした構成になっています。かつての卒業枠・後継者支援枠は現行制度では設けられておらず、賃金引上げは「枠」ではなく「特例(上乗せ)」として扱われます。

一般型・通常枠の補助上限(特例による上乗せ)

区分補助率補助上限額
通常枠(基本)2/350万円
+インボイス特例2/3100万円(+50万円)
+賃金引上げ特例2/3(赤字事業者は3/4)200万円(+150万円)
両特例を併用2/3(赤字事業者は3/4)250万円(+200万円)

創業型

区分補助率補助上限額主な要件
創業型2/3200万円(特例活用で最大250万円)創業後3年以内で、認定市区町村等が実施する「特定創業支援等事業」の支援を受けた日と開業日(設立年月日)がいずれも公募締切から過去3年以内であること

※補助額・補助率・要件は公募回によって変更される場合があります。申請前に必ず最新の公募要領(本記事末尾の「出典・参考」参照)をご確認ください。

対象者(申請できる事業者)

小規模事業者の定義

業種従業員数
商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く)5人以下
宿泊業・娯楽業20人以下
製造業・その他20人以下

個人事業主、会社(株式会社・合名会社・合資会社・合同会社)、企業組合・協業組合、特定非営利活動法人(NPO法人)も対象です。

大企業が実質支配するみなし大企業、医師・弁護士など士業の法人、社会福祉法人、学校法人などは対象外です。

補助対象となる主な経費

持続化補助金の補助対象となる主な経費(販路開拓等に係るもの)は以下の通りです。

上記は令和6年度補正予算(第18回公募要領)に基づく補助対象経費の区分です。人件費(自社の役員・従業員への給与)や不動産購入費、汎用品の購入費(自宅兼事務所のPCなど補助事業と関係ない用途に使えるもの)は対象外です。なお、補助対象経費の区分は公募回によって変更される場合があります。

申請の手順(ステップバイステップ)

  1. 商工会・商工会議所に相談する 持続化補助金の申請は、地区の商工会または商工会議所の窓口を通じて行います。まず最寄りの商工会・商工会議所に連絡し、補助金申請の相談窓口を確認してください。
  2. 経営計画書・補助事業計画書を作成する 自社の現状分析(SWOT分析等)を踏まえ、取り組む販路開拓事業の内容・必要経費・期待する効果を具体的に記載した計画書を作成します。商工会・商工会議所の担当者がサポートしてくれます。
  3. 商工会・商工会議所の「支援の証明」を取得する 作成した経営計画書・補助事業計画書について、商工会・商工会議所の確認・支援を受けます(「小規模事業者持続化補助金に係る支援の証明書」が発行されます)。
  4. 必要書類を揃えて電子申請(または郵送)する 申請書類(経営計画書、補助事業計画書、支援の証明、確定申告書等)を揃え、電子申請(Jグランツ)または郵送で事務局に提出します。
  5. 採択結果の通知を受ける 採択・不採択の結果が公表・通知されます。採択された場合は、交付申請を行います。
  6. 交付決定後に補助事業を実施する 交付決定の通知を受けてから補助事業(販路開拓等の取組み)を開始します。交付決定前の支払いは補助対象外となるため注意が必要です。
  7. 実績報告・補助金の受領 補助事業が完了したら実績報告書を提出し、審査・確定検査の後に補助金が振り込まれます。

採択されやすい経営計画書のポイント

自社の強みと機会を明確に示す

SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)を活用し、なぜ今回の取組みが自社の持続的な発展につながるのかを論理的に説明することが重要です。競合他社との差別化ポイントも具体的に記載しましょう。

販路開拓の具体的な取組み内容を示す

「ホームページを作る」ではなく、「ターゲット顧客(50代女性・地域在住)にリーチするため○○をテーマにしたコンテンツを月2本発信し、問い合わせ件数を○件増やす」というように、ターゲット・手法・期待する成果を具体的に記述してください。

数値目標を設定する

補助事業後の売上目標、新規顧客獲得数、問い合わせ数など、定量的な目標値を設定することで計画の信頼性が高まります。

SWOT分析を丁寧に行う

経営計画書の「様式2」では自社の経営状況の分析(SWOT分析等)が求められます。「強み」は自社の独自技術・立地・顧客との信頼関係など、競合他社と差別化できるポイントを記載します。「機会」は地域の人口動態・トレンド・インバウンド増加など外部環境の追い風を示します。表面的な記載ではなく、具体的なデータや事実に基づいた分析が採択率を高めます。

公募回別の採択率の推移(独自集計)

持続化補助金は「採択されやすい補助金」と言われることがありますが、採択率は公募回によって大きく変動します。当ナビ編集部が、中小企業庁が各回の採択発表で公表している申請者数・採択者数をもとに、一般型・通常枠の直近4回の採択率を集計しました。

締切回採択発表申請者数採択者数採択率
第14回2024年3月13,5978,49762.5%
第15回2024年6月13,3365,58041.8%
第16回2024年8月7,3712,74137.2%
第17回2025年9月23,36511,92851.1%

※申請者数・採択者数は中小企業庁の各回採択発表の公表値。採択率は当ナビ編集部が算出(採択者数÷申請者数、小数第1位を四捨五入)。
出典:中小企業庁「小規模事業者持続化補助金(各回締切分)の補助事業者が採択されました」(第14〜17回)

直近4回だけでも採択率は37〜62%の間で大きく上下しています。第16回は37%台まで低下し、第17回は51%に回復しました。「持続化補助金は必ず通る」というものではなく、公募回によって採択率が2倍近く変わるのが実態です。採択率が下がる局面ほど、経営計画書の完成度が採否を分けます。商工会・商工会議所のサポートを最大限活用することが重要です。

実在の活用事例(公式サイトより)

以下は、中小企業庁が運営する「ミラサポplus」の事例ナビに掲載された実在の持続化補助金の活用事例です(過年度の採択事例。実施年度により申請要件・対象経費は異なります)。架空の作例ではなく、公式サイトで公開されている取組を紹介します。

写真館(福島県):新しい撮影プランを広報し客単価アップ

貸しドレスを含む新しい写真撮影プランを開始。このプランを告知するため、補助金を活用して新聞折込チラシの配布と、屋外壁面への特大ポスターパネルの設置を行いました。その結果、ドレス姿での撮影の認知度が向上し、結婚式や成人式などでドレス撮影を追加する顧客が増加。客単価が20〜30%アップする効果につながりました(広報費の活用例)。

理髪店(島根県吉賀町):出張理容サービスで在宅介護のニーズに対応

散髪に行くことが困難な在宅介護者のニーズに対応するため、補助金で移動式リクライニングチェアと移動式シャンプーユニットを導入し、町内での出張理容サービスを開始。あわせて出張理容サービスの事業案内パンフレットを作成・配布し、新たな顧客層の開拓に取り組みました(機械装置等費・広報費の活用例)。

ケーキ店(北海道):フードプリンター導入で差別化・新規顧客獲得

バースデーケーキやクリスマスケーキなどに、お客様の好きな写真や絵を可食シートで印刷できるフードプリンターを導入。他店との差別化を図るとともに、子どもたちからのクリスマスケーキの注文が増えるなど、新規顧客の獲得による業績向上につなげました(機械装置等費・設備導入の活用例)。

直近の採択率

第17回(2025年9月発表)は51.1%。直近4回は37〜62%で変動(上記の独自集計を参照)。

補助金を受け取るまでの期間

申請〜採択発表まで約3〜4か月。採択後の交付決定までさらに1〜2か月かかり、事業実施後に精算払い。

再申請の可否

不採択でも次回公募で再申請可能。年に複数回の公募機会があるため再チャレンジしやすい。

最新の公募状況(2026年7月時点)

持続化補助金(一般型・通常枠)は2026年も継続して公募が行われています。直近の第19回は申請受付が2026年3月6日〜4月30日で締め切られ、採択発表は2026年7月頃に予定されています(執筆時点では審査中)。

次回の第20回は公募要領が2026年5月27日に公開され、申請受付は2026年11月5日〜12月15日、採択発表は2027年3月頃が予定されています。いずれも様式4(事業支援計画書)の発行受付締切が申請締切より前に設定されているため、商工会・商工会議所への相談は早めに行いましょう。

「一般型・通常枠」と「創業型」の使い分け

現行の持続化補助金は、幅広い小規模事業者が使える一般型・通常枠(上限50万円/特例で最大250万円)と、創業後3年以内の事業者向けの創業型(上限200万円/特例で最大250万円)に分かれています。創業型は「特定創業支援等事業」の支援を受けていることが要件のため、これから申請する方は、自社が創業型の要件に当てはまるかを商工会・商工会議所で確認するとよいでしょう。

あなたの会社に合う補助金を診断する

30秒の質問に答えるだけで、最適な補助金が見つかります

無料で診断を始める →

よくある質問(FAQ)

開業したばかりでも申請できますか?
開業から間もない事業者でも申請できます。ただし、確定申告書の提出が求められる場合があります。開業1年未満の場合は直近の確定申告書が用意できないことがありますが、商工会・商工会議所に相談してみてください。創業後3年以内で「特定創業支援等事業」の支援を受けているなど要件を満たす場合は、別制度の「創業型」(補助上限200万円)を活用できる場合もあります。
ホームページ制作費は全額補助対象になりますか?
ウェブサイト関連費(ホームページ・ECサイト・ウェブ広告等)は補助対象ですが、補助金交付申請額の1/4が上限となります(例:補助金が50万円の場合、ウェブサイト関連費の補助は最大12.5万円)。また、ウェブサイト関連費のみでの申請は認められません。他の販路開拓の取組みと合わせて申請する必要があります。
採択率はどのくらいですか?
公募回によって大きく異なります。一般型・通常枠の直近4回(第14〜17回)は、中小企業庁の公表値から算出すると62.5%→41.8%→37.2%→51.1%と、37〜62%の間で変動しています(本記事「公募回別の採択率の推移」を参照)。「必ず通る」補助金ではないため、計画書の完成度が重要です。商工会・商工会議所のサポートを積極的に活用してください。
複数回申請できますか?
同一年度の同一公募回での複数申請はできません。また、過去に採択・交付を受けた事業者が再申請する場合は、前回の補助事業が完了し実績報告が完了していることが条件となります。なお、採択回数に上限が設けられている場合もあります。
副業・兼業でも申請できますか?
副業・兼業で事業を営んでいる方でも、小規模事業者の定義を満たしていれば申請できる場合があります。ただし、主たる事業が補助対象の業種・規模に該当することが必要です。商工会・商工会議所でご確認ください。
申請書類の作成がうまくできません。誰に相談すればいいですか?
最寄りの商工会・商工会議所に相談してください。無料で事業計画書・補助事業計画書の作成をサポートしてもらえます。また、中小企業診断士や補助金申請の実績が豊富な税理士・社会保険労務士に依頼することも有効です(成功報酬型の専門家もいます)。
補助金で購入した機械を補助事業終了後に転用できますか?
補助事業の目的外への転用や処分は、一定期間(設備の法定耐用年数まで、または取得価格50万円以上の場合は事業実施後5年間)は事前承認が必要です。転用・売却・廃棄を考えている場合は、必ず事務局に事前相談してください。無断での転用は補助金の返還を求められる場合があります。

あなたの会社に合う補助金を診断する

30秒の質問に答えるだけで、最適な補助金が見つかります

無料で診断を始める →

※本記事の情報は2026年7月1日時点で公式サイトに公表されている内容に基づきます。採択率は中小企業庁の公表値から当ナビ編集部が算出したものです。補助金の内容・要件は公募回により変更される場合がありますので、申請前に必ず公式の最新情報をご確認ください。