| 助成金名 | 助成額(目安) | 主な受給条件 |
|---|---|---|
| キャリアアップ助成金 (正社員化コース) |
1人あたり最大80万円 (中小企業・重点支援対象者の場合) |
有期雇用労働者・パートタイム等を正社員に転換した場合(重点支援対象者以外は中小企業40万円) |
| キャリアアップ助成金 (賃金規定等改定コース) |
1人あたり4万〜7万円 (中小企業・賃上げ率により変動) |
有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定した場合(3%以上4%未満4万円〜6%以上7万円) |
| 特定求職者雇用開発助成金 (特定就職困難者コース) |
1人あたり最大240万円 (重度障害者等・中小企業・3年間) |
高齢者(60歳以上)・障害者・母子家庭の母等をハローワーク等の紹介で継続雇用した場合(類型により60万〜240万円) |
| トライアル雇用助成金 (一般トライアルコース) |
月額4万円(最長3か月) ※母子家庭の母等は月額5万円 |
ハローワーク等紹介の就職困難者を原則3か月間試行雇用した場合 |
| 人材開発支援助成金 (人材育成支援コース) |
訓練経費の45〜100% +賃金助成(1人1時間800円〜) |
在職労働者に対して職業訓練を実施した場合(訓練メニュー・加算要件により助成率が変動) |
| 両立支援等助成金 (育児休業等支援コース) |
育休取得時30万円+職場復帰時30万円 (中小企業のみ) |
育休復帰支援プランを作成し、育児休業の取得・職場復帰を支援した場合 |
| 雇用調整助成金 | 休業手当等の2/3 (中小企業。大企業は1/2) |
経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合(最近3か月の売上高が前年同期比10%以上低下等) |
※金額・助成率は令和8年度(2026年度)の中小企業向けの値。出典は記事末尾「出典・参考資料」の厚生労働省公式資料(2026年7月確認)。要件の詳細は各制度の最新の支給要領・パンフレットをご確認ください。
雇用関連助成金の代表格がキャリアアップ助成金の正社員化コースです。パートタイム・有期契約社員を正社員に転換することで受給できます。令和8年度の支給額は、有期雇用労働者を正社員転換した場合で中小企業80万円(40万円×2期)・大企業60万円です(「重点支援対象者」の場合)。
雇用助成金は組み合わせて活用することで、まとまった金額になります。以下は厚生労働省が公表している令和8年度の支給額(出典は記事末尾参照)をもとにしたモデルケースの試算です。実際の受給には各制度の支給要件をすべて満たす必要があります。
中小企業が、雇入れから3年以上のパートタイム社員(有期雇用・重点支援対象者に該当)3名を正社員に転換した場合、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給額は1名あたり80万円(40万円×2期)、3名合計で240万円となる計算です。受給には、転換後の賃金を転換前より3%以上増額し、正社員として6か月以上雇用を継続するなどの要件を満たす必要があります。
中小企業が、ハローワークの紹介で60歳以上の高年齢者1名(60万円・1年間)と、重度障害者等に該当する障害者1名(240万円・3年間で分割支給)を継続雇用する労働者として雇い入れた場合、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の支給額は2名合計で最大300万円となる計算です。対象労働者に該当するかどうかは雇入れ前にハローワークで確認できます。
キャリアアップ助成金(正社員化コース):最大80万円(中小企業・重点支援対象者)
特定求職者雇用開発助成金:最大240万円(重度障害者等・中小企業・3年間)
両立支援等助成金(育児休業等支援コース):育休取得時30万円+職場復帰時30万円(中小企業)
従業員のスキルアップ・研修費用に使える助成金として「人材開発支援助成金」があります。在職中の労働者に対して職業訓練を実施した場合、訓練経費の一部(助成率は訓練メニュー・加算要件により45〜100%)と賃金助成(訓練期間中1人1時間あたり800円・中小企業)を受け取れます。令和8年度は人材育成支援・教育訓練休暇等付与・人への投資促進・事業展開等リスキリング支援・建設関係2コース・障害者職業能力開発の計7コースがあります。
| コース名 | 助成対象 | 助成内容 |
|---|---|---|
| 人材育成支援コース | OFF-JT(社外研修・eラーニング等)やOJT併用訓練 | 経費助成45%(有期契約労働者等の訓練は70%、正社員転換を伴う有期実習型訓練は75%。賃上げ等の要件充足で加算あり)+賃金助成1人1時間800円。経費助成には訓練時間数に応じた限度額(1人1訓練15万〜50万円)あり |
| 教育訓練休暇等付与コース | 有給の教育訓練休暇制度(3年間で5日以上)を導入し、労働者が取得して訓練を受けた場合 | 1事業主あたり30万円(1度限り・賃金要件等の充足で36万円) |
| 事業展開等リスキリング支援コース | 事業展開・DX・GX対応の訓練(OFF-JT) | 経費助成75%+賃金助成1人1時間1,000円(令和8年度から設備投資加算を新設) |
「新入社員研修の費用を助成してもらいたい」「DXやITスキルの社員教育費を補いたい」といったニーズに対応できる制度です。訓練の実施前に職業訓練実施計画届を提出することが必要です。コースごとの詳細な助成率・限度額は厚生労働省の各コースパンフレット(記事末尾の出典参照)で確認してください。
育児休業の取得促進・仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主向けの助成金が「両立支援等助成金」です。令和8年度は、出生時両立支援(子育てパパ支援助成金)・介護離職防止支援・育児休業等支援・育休中等業務代替支援・柔軟な働き方選択制度等支援・不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援の6コースがあります。
育児休業等支援コースは中小企業事業主のみが対象で、次の2段階で支給されます(いずれも1事業主につき無期雇用労働者・有期雇用労働者 各1回まで)。
このほか、育児休業中の業務を代替する労働者への手当支給や代替要員の新規雇用に助成する「育休中等業務代替支援コース」もあります。育児休業取得率の向上は企業イメージにもプラスに働き、採用力の強化にもつながります。助成金の受給と同時に「くるみん認定」(次世代育成支援対策推進法に基づく認定)を目指す企業も増えています。
キャリアアップ助成金などは、取組みを実施する前に計画書を提出する必要があります。取組みを実施した後に提出しても受給できません。採用・転換を検討したらすぐに最寄りのハローワークに相談してください。
多くの雇用助成金は「就業規則に制度を定めていること」が要件です。正社員転換制度・育児休業制度・賃金規定などを就業規則に明記しておく必要があります。
雇用関連の助成金は、雇用保険適用事業所であることが原則条件です。雇用保険に未加入のまま申請しようとしても受給できません。従業員を雇用したら必ず雇用保険に加入してください。
助成金の審査では、雇用実績を証明するために賃金台帳・出勤簿・タイムカード・労働契約書などの書類が求められます。これらの書類が不完全・紛失している場合は不支給になることがあります。雇用保険の届出と合わせて、日常的に正確な書類管理を行ってください。
助成金には申請期限があります。例えばキャリアアップ助成金は「転換後6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内」に支給申請が必要です。この期限を過ぎると受給できなくなるため、スケジュール管理が重要です。取組み実施後にすぐ申請準備を始めることをおすすめします。
一部の助成金では、同一の対象労働者に対して過去に同種の助成金を受給している場合、再受給できない制限があります。また、会社として申請できる回数の上限が設定されている助成金もあります。申請前に労働局・ハローワークで確認しておきましょう。
※本記事の情報は2026年7月時点の厚生労働省公表資料に基づきます。助成金の内容・要件・支給額は年度により変更される場合があります。申請前に必ず厚生労働省・ハローワークの最新の支給要領をご確認ください。