雇用・採用助成金
採用・雇用に使える助成金ガイド2026
厚生労働省系助成金の種類・申請条件を徹底解説
補助金ナビ編集部|更新
この記事のポイント
雇用関連の助成金は厚生労働省が所管し、主にハローワークを通じて申請します。採用・正社員化・人材育成・職場環境改善など多彩な場面で活用でき、1人あたり数十万円〜数百万円の助成が受けられます。「補助金」と「助成金」の違いも含めて、採用・雇用に関する公的支援を網羅的に解説します。
補助金と助成金の違い:
補助金は競争審査があり採択されないと受給できません。一方、助成金(厚生労働省系)は要件を満たせば原則全員が受給できます。雇用関連は助成金が多く、採択リスクなく申請できるのが大きなメリットです。
主な雇用・採用関連助成金一覧(2026年度)
| 助成金名 | 助成額(目安) | 主な受給条件 |
キャリアアップ助成金 (正社員化コース) |
1人あたり最大80万円 (中小企業) |
有期雇用労働者・パートタイム等を正社員に転換または直接雇用した場合 |
キャリアアップ助成金 (賃金規定等改定コース) |
1人あたり最大5万円 (年2回上限) |
有期雇用等の賃金規定を3%以上引き上げた場合 |
特定求職者雇用開発助成金 (特定就職困難者コース) |
1人あたり最大240万円 |
高齢者・障害者・母子家庭の母等をハローワーク経由で採用した場合 |
| トライアル雇用助成金 |
月最大4万円(最長3か月) |
ハローワーク紹介の就職困難者を試行雇用した場合 |
人材開発支援助成金 (人材育成支援コース) |
訓練費の最大75%・賃金助成 |
在職労働者に対して職業訓練を実施した場合 |
両立支援等助成金 (育児休業等支援コース) |
最大110万円/1事業主 |
育児休業取得・職場復帰を支援した場合(特に中小企業) |
| 雇用調整助成金 |
休業手当の最大90% |
経済的理由により一時的な事業活動縮小を余儀なくされた場合 |
キャリアアップ助成金(正社員化コース)詳細解説
雇用関連助成金で最も活用されているのがキャリアアップ助成金の正社員化コースです。パートタイム・有期契約社員を正社員に転換することで受給できます。
受給の主な要件
- 雇用保険適用事業所の事業主であること
- 転換前に6か月以上、有期雇用または無期雇用パートタイムとして雇用していること
- 正社員転換後に6か月以上継続して雇用し、正社員として支払うべき賃金を支払っていること
- 転換後の賃金が転換前と比べて3%以上増加していること
- キャリアアップ計画書を労働局に提出していること
申請の流れ
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キャリアアップ計画書を作成・提出
正社員転換の実施前に、所管の都道府県労働局またはハローワークに「キャリアアップ計画書」を提出します。転換実施前の提出が必須です。
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有期雇用労働者を6か月以上雇用する
正社員転換前に6か月以上、有期雇用として雇用します(雇用保険被保険者として)。
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正社員に転換する
就業規則等に規定した正社員転換制度に基づいて転換を実施します。賃金を3%以上引き上げることが必要です。
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正社員として6か月間雇用し続ける
転換後6か月間、正社員として雇用し、正社員として支払うべき賃金を支払います。
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支給申請をする
転換後6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内に、労働局・ハローワークに支給申請を提出します。
雇用助成金申請で失敗しないための注意点
注意点1:計画書の事前提出が必須
キャリアアップ助成金などは、取組みを実施する前に計画書を提出する必要があります。取組みを実施した後に提出しても受給できません。採用・転換を検討したらすぐに最寄りのハローワークに相談してください。
注意点2:就業規則の整備が前提
多くの雇用助成金は「就業規則に制度を定めていること」が要件です。正社員転換制度・育児休業制度・賃金規定などを就業規則に明記しておく必要があります。
注意点3:雇用保険の適用が必要
雇用関連の助成金は、雇用保険適用事業所であることが原則条件です。雇用保険に未加入のまま申請しようとしても受給できません。従業員を雇用したら必ず雇用保険に加入してください。
重要:助成金の不正受給は返還命令(最大3倍)の対象になります。要件を正しく理解し、不明な点はハローワーク・社会保険労務士に相談してから申請してください。
よくある質問(FAQ)
開業したばかりでも雇用助成金を受給できますか?
雇用保険適用事業所であれば開業直後でも申請できる助成金があります。ただしキャリアアップ助成金は採用前に計画書提出が必要なため、採用と同時にハローワークに相談することが重要です。
社会保険労務士に頼まないと申請できませんか?
助成金の申請は事業主自身が行うことができます。しかし書類が複雑なため、特に初めての場合は社会保険労務士(社労士)に依頼することをお勧めします。社労士への依頼費用は助成金で賄える場合もあります。
補助金と助成金は同時に申請できますか?
原則として、補助金(経産省系)と助成金(厚労省系)は制度が異なるため、同時に申請・受給することが可能です。ただし同一経費への重複受給はできないため、それぞれ異なる取組み・経費に対して申請してください。
障害者を雇用するとどれくらい助成金が受けられますか?
特定求職者雇用開発助成金(障害者コース)では、障害の種類・重症度・雇用形態によって異なりますが、最大2年間・最大240万円の助成が受けられます。ハローワークに相談の上、採用前に計画を立ててください。
※本記事の情報は2026年4月時点のものです。助成金の内容・要件は変更される場合があります。申請前に必ず厚生労働省・ハローワークの最新情報をご確認ください。