製造業向け補助金
製造業が使える補助金まとめ【2026年最新版】
設備投資・DX・人材育成
補助金ナビ編集部|2026年5月18日更新
この記事のポイント
製造業は「ものづくり補助金」「省力化投資補助金」「IT導入補助金」など、設備投資からDX推進まで幅広く活用できる補助金が揃っています。2026年度は最大1,500万円規模の補助金も公募中。本記事では主要制度を金額・補助率付きで整理し、申請のポイントを解説します。
製造業向け補助金の全体像
製造業は日本の産業の根幹を支える業種であり、国・地方自治体ともに設備投資やデジタル化を促進する補助金・助成金制度を多数整備しています。特に近年は人手不足への対応、カーボンニュートラル対応、サプライチェーン強靭化を目的とした制度が充実しています。
製造業が活用できる補助金は大きく4つのカテゴリに分けられます。①設備投資・機械導入、②デジタル化・DX推進、③人材育成・雇用促進、④省エネ・環境対応です。それぞれの代表的な制度を以下で詳しく解説します。
| 制度名 | 補助上限額 | 補助率 | 主な用途 |
| ものづくり補助金 | 最大1,250万円 | 1/2〜2/3 | 機械設備導入・システム開発 |
| 省力化投資補助金 | 最大1,500万円 | 1/2 | 人手不足解消・自動化設備 |
| IT導入補助金 | 最大450万円 | 最大75% | 生産管理・受発注システム |
| 事業再構築補助金 | 最大7,000万円 | 1/2〜2/3 | 新事業展開・業態転換 |
| キャリアアップ助成金 | 最大72万円/人 | 定額 | 非正規→正規転換・処遇改善 |
| 人材開発支援助成金 | 最大50万円/人 | 最大75% | 社員研修・技能習得 |
※補助額・補助率は公募回・申請枠によって異なります。必ず最新の公募要領をご確認ください。
ものづくり補助金
ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業・小規模事業者が革新的な製品・サービス開発、または生産プロセスの改善に取り組む際の設備投資を支援する代表的な補助金です。製造業にとって最も活用頻度の高い制度のひとつです。
補助内容と申請枠
| 申請枠 | 補助上限額 | 補助率 | 要件 |
| 省力化(オーダーメイド)枠 | 750万円〜1,250万円 | 1/2(小規模2/3) | 人手不足解消に資する革新的な省力化投資 |
| 製品・サービス高付加価値化枠(通常類型) | 750万円〜1,250万円 | 1/2(小規模2/3) | 革新的な製品・サービス開発または生産プロセス改善 |
| 製品・サービス高付加価値化枠(DX推進類型) | 750万円〜1,250万円 | 1/2(小規模2/3) | DXに資する革新的な製品・サービス開発等 |
| グローバル展開型 | 3,000万円 | 1/2(小規模2/3) | 海外事業の拡大・強化 |
対象となる主な経費
- 機械装置・システム構築費(NC工作機械・ロボット・3Dプリンター等)
- 技術導入費(特許権・ノウハウ等の使用に要する費用)
- 専門家経費(外部専門家への依頼費用)
- 運搬費・クラウドサービス利用費・原材料費(一部)
- 外注費・知的財産権等関連経費
採択事例:金属加工業A社(従業員18名)
課題:熟練工の高齢化と若手採用難。手作業中心の工程でリードタイムが長く、受注競争力が低下していた。
対応:5軸加工センターと自動測定システムを導入(設備費用 約850万円)。ものづくり補助金で425万円を補助。加工時間を従来比40%短縮し、年間受注額が約1.2倍に増加した。
省力化投資補助金
省力化投資補助金は、深刻な人手不足に直面する中小企業・小規模事業者が、カタログから選べる汎用製品(ロボット・機械・AIシステム等)を導入して業務の自動化・省力化を進めるための補助金です。2024年度から始まった比較的新しい制度で、製造業の現場導入に特に適しています。
補助内容
| 区分 | 補助上限額 | 補助率 |
| 従業員5人以下 | 200万円 | 1/2 |
| 従業員6〜20人 | 500万円 | 1/2 |
| 従業員21〜50人 | 1,000万円 | 1/2 |
| 従業員51〜100人 | 1,500万円 | 1/2 |
| 従業員101人以上 | 1,500万円 | 1/3 |
補助対象となる製品カテゴリ
省力化投資補助金では、経済産業省が認定した「カタログ製品」の中から補助対象製品を選ぶ方式です。製造業で活用できる代表的なカテゴリは以下の通りです。
- 産業用ロボット・協働ロボット(部品組み立て・溶接・搬送用)
- 自動搬送装置(AGV・AMR等)
- 自動検査装置・画像検査システム
- 射出成形機・プレス機の自動化オプション
- AIを活用した生産計画最適化システム
ものづくり補助金と異なり、事業計画書の審査が簡略化されており、申請のハードルが比較的低い点が特徴です。現場の人手不足に今すぐ対応したい製造業者に向いています。
IT導入補助金(製造業での活用)
IT導入補助金は「デジタル化」全般を支援する補助金ですが、製造業においても生産管理システムや品質管理システムの導入に広く活用されています。特にインボイス制度対応の会計ソフトや、受発注システムのデジタル化では補助率最大75%のデジタル化基盤導入枠が使えます。
製造業で特に活用されるITツール
- 生産管理システム(MES・MRP・工程管理)
- 在庫管理・倉庫管理(WMS)システム
- 品質管理・検査記録システム
- 電子発注・EDI(電子商取引)システム
- クラウド型会計・請求書システム(インボイス対応)
- 勤怠管理・シフト管理システム
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人材育成・雇用関連助成金
設備投資だけでなく、人材面での支援も製造業にとって重要です。厚生労働省が所管する雇用関連助成金は、返済不要の「助成金」であり、要件を満たせば確実に受給できる制度です。
人材開発支援助成金(製造業向けポイント)
人材開発支援助成金は、従業員に対して職業訓練(OJT・OFF-JT)を実施した事業主に訓練費用・賃金の一部を助成する制度です。製造業では機械操作・溶接・CAD/CAM・品質管理などの技能訓練で活用されています。
| コース | 助成額の目安 | 補助率 |
| 人材育成支援コース(OFF-JT) | 経費の最大75%(1人あたり最大50万円) | 中小企業75% |
| 人への投資促進コース(デジタル人材育成) | 経費の最大70% | 中小企業70% |
| 事業展開等リスキリング支援コース | 経費の最大75% | 中小企業75% |
キャリアアップ助成金(非正規労働者の処遇改善)
パート・アルバイト・派遣社員などの非正規労働者を正規雇用に転換したり、賃金を引き上げたりした場合に受給できる助成金です。製造業では期間工や派遣スタッフの正社員化で活用するケースが多く見られます。
- 正社員化コース:1人あたり最大72万円(大企業は57万円)
- 賃金規定等改定コース:1人あたり最大8万円(賃金3%以上引き上げ)
- 賞与・退職金制度導入コース:1事業所あたり最大38万円
申請前に確認すべきポイント
製造業で補助金を申請する際、審査通過率を高めるために事前に確認しておくべきポイントがあります。特に規模の大きい補助金(ものづくり補助金等)は事業計画書の記載内容が採否に直結します。
採択されやすい事業計画書のポイント
①現状の課題を数値で示す:「リードタイムが〇日かかっている」「不良率が〇%発生している」など具体的な現状を記載する。
②補助事業の内容を明確に:どの設備を・いくらで・どう使うかを明記。「NC旋盤(〇〇社製)を1台導入、月産能力を現状比30%向上」など。
③導入効果を定量的に示す:売上・利益・生産性・コスト削減などで数値目標を設定する。
④資金調達計画を明確に:自己資金・借入・補助金の内訳を明示し、実行可能性をアピールする。
よくある申請失敗パターン
- 交付決定前に発注・契約・支払いを行ってしまう(最も多いNG)
- 対象外経費(土地代・建物本体工事費など)を含めて申請する
- GビズIDの取得が遅れ、公募期間内に申請できない
- 事業計画書の内容が抽象的で審査員に伝わらない
- 複数の補助金を同一経費で重複申請する(原則禁止)
補助金活用の流れ(ステップ)
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補助金の情報収集・選定
現在の経営課題(設備老朽化・人手不足・DX遅れ等)を整理し、課題解決に合った補助金を選びます。複数の補助金を組み合わせることも可能です(経費の重複は不可)。
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GビズIDプライムの取得
ものづくり補助金・省力化投資補助金・IT導入補助金はいずれもGビズIDプライムが必須です。発行まで2〜3週間かかるため、公募開始前に取得しておきましょう。
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事業計画書の作成・専門家への相談
特にものづくり補助金は事業計画書の質が採択を左右します。中小企業診断士・商工会議所・地域の支援機関に相談し、内容のブラッシュアップを行いましょう。無料相談を提供する機関も多くあります。
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公募期間中にオンライン申請
各補助金の申請ポータルから必要書類を揃えてオンライン申請します。直前は混み合うため、公募開始後早めに着手することをお勧めします。
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採択・交付決定の通知を待つ
採択後に正式な交付決定通知が届くまで、対象設備の発注・契約・支払いは行ってはいけません。この順序を守ることが最も重要なルールです。
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設備の発注・導入・支払い
交付決定後に発注・契約・設備導入・支払いを行います。導入期間中は進捗報告が求められる場合があります。
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実績報告・補助金の受領
事業完了後に実績報告書と証拠書類をオンラインで提出します。審査通過後、指定口座に補助金が振り込まれます。
よくある質問(FAQ)
ものづくり補助金と省力化投資補助金は同時に申請できますか?
同一の設備・経費に対して両方を申請することはできません(重複補助の禁止)。ただし、異なる設備・工程に対してそれぞれ申請することは可能です。自社の状況に合わせてどちらがより効果的かを比較検討してください。
設備の見積もりは何社から取れば良いですか?
補助金によって規定は異なりますが、50万円を超える場合は原則2社以上から相見積もりを取ることが推奨されています。単独見積もりの場合は「相見積もり不能理由書」などの補足書類が求められることもあります。
採択されても補助金が出ないケースはありますか?
採択はあくまで「補助金を受ける権利の獲得」であり、実績報告書の審査通過が必要です。発注・支払い時期のルール違反、対象外経費の混入、報告書の不備などがあると全額不交付・減額になる場合があります。採択後の手続きも丁寧に進めることが重要です。
創業1年未満の製造業でも申請できますか?
制度によって異なります。ものづくり補助金は直近2期分の決算書が必要なため、設立後1期未満の企業は原則申請できません(創業枠などの例外あり)。省力化投資補助金やIT導入補助金は創業間もない企業でも申請できる場合があります。各制度の公募要領をご確認ください。
補助金受給後に設備を売却してしまうと問題がありますか?
補助事業終了後5年間(財産処分制限期間)は、補助金で取得した設備を売却・譲渡・廃棄する場合、事前に事務局の承認が必要です。無断で処分した場合、補助金の返還を求められる可能性があります。
人材開発支援助成金の申請はいつすれば良いですか?
訓練開始日の1ヶ月前(場合によっては2ヶ月前)までに「訓練計画届」をハローワークに提出する必要があります。訓練実施後に申請する後払い方式なので、段取りを早めに整えることが重要です。
補助金申請の支援を無料で受けられる窓口はありますか?
中小企業基盤整備機構(J-SMECo)、各都道府県の中小企業支援センター、商工会・商工会議所、よろず支援拠点などで無料相談を受けられます。特にものづくり補助金の事業計画書作成サポートは商工会議所が積極的に対応していることが多いため、まず地元の商工会議所に相談することをお勧めします。
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※本記事の情報は2026年5月時点のものです。補助金の内容・要件は変更される場合があります。申請前に必ず公式ポータルの最新情報をご確認ください。