建設業が使える補助金まとめ【2026年最新版】
設備投資・DX・人材確保

この記事のポイント
建設業は「ものづくり補助金」「省力化投資補助金」「IT導入補助金」に加え、建設業特有の「CCUSキャリアアップ助成金」「技能実習・特定技能人材の受入助成金」など多彩な制度が利用できます。2026年度は建設DXを後押しする補助金も拡充。本記事では主要制度の上限額・補助率・申請のコツを建設業の視点でまとめました。

建設業向け補助金の全体像

建設業は2025年4月から時間外労働の上限規制が本格適用(いわゆる「建設業の2024年問題」)され、人手不足・工期短縮・生産性向上が業界全体の喫緊の課題です。こうした背景から、国は建設業の設備投資・デジタル化・人材確保を後押しする補助金・助成金を強化しています。

建設業が活用できる制度は大きく4つのカテゴリに整理できます。①重機・設備・ICT機器などの設備投資、②施工管理ソフト・BIM/CIM導入などのデジタル化、③建設キャリアアップシステム(CCUS)活用に関連する助成金、④採用・技能向上・外国人材受入に関する雇用系助成金です。

制度名補助上限額補助率主な用途
ものづくり補助金(省力化枠)最大1,250万円1/2〜2/3重機・建設機械の自動化・ICT化
省力化投資補助金最大1,500万円1/2自動搬送・測量・現場管理省力化
IT導入補助金(デジタル化基盤枠)最大450万円最大75%施工管理・積算・BIM/CIMソフト
建設業CCUS推進事業費補助金補助額:定額(実績による)定額助成CCUS導入・現場登録費用の一部補助
キャリアアップ助成金最大72万円/人定額技能労働者の正規転換・処遇改善
人材開発支援助成金最大50万円/人最大75%技能訓練・建設技術研修
建設労働者確保育成助成金事業規模による最大3/4技能訓練・雇用管理改善

※補助額・補助率は公募回・申請枠によって異なります。必ず最新の公募要領をご確認ください。

ものづくり補助金(建設業での活用)

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業・小規模事業者が革新的な生産性向上に取り組む際の設備投資を支援する補助金です。「製造業向け」というイメージがありますが、建設業も申請対象であり、特に省力化枠やDX推進枠での採択事例が増えています。

建設業が申請しやすい枠と採択ポイント

申請枠補助上限額補助率建設業での活用例
省力化(オーダーメイド)枠750万円〜1,250万円1/2(小規模2/3)ICT建機・ドローン測量・自動締固め機械の導入
製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)750万円〜1,250万円1/2(小規模2/3)BIM/CIM連携システム・プレハブ工法設備導入
製品・サービス高付加価値化枠(DX推進類型)750万円〜1,250万円1/2(小規模2/3)施工管理AIシステム・デジタルツイン活用設備

対象となる主な経費

採択事例:土木工事業B社(従業員32名)

課題:熟練オペレーターの退職と若手不足による工期遅延。手測量中心の工程が生産性のボトルネックになっていた。

対応:3Dドローン測量システム+ICT建機連携ソフトを導入(設備費用 約700万円)。ものづくり補助金(省力化枠)で350万円を補助。測量工程を従来比60%短縮し、1現場あたりの工期を平均12日短縮することに成功した。

省力化投資補助金

省力化投資補助金は、中小企業・小規模事業者がカタログに掲載された汎用製品(ロボット・機械・AIシステム等)を導入して業務の自動化・省力化を進めるための補助金です。建設業の現場では慢性的な人手不足が続いており、搬送・測量・検査工程の自動化ニーズが高まっています。

補助内容

従業員規模補助上限額補助率
5人以下200万円1/2
6〜20人500万円1/2
21〜50人1,000万円1/2
51〜100人1,500万円1/2
101人以上1,500万円1/3

建設業で活用できる製品カテゴリ

省力化投資補助金では、認定を受けた「カタログ製品」の中から対象製品を選定します。建設業・土木業で活用できる代表的なカテゴリは以下の通りです。

ものづくり補助金に比べて事業計画書の審査が簡略化されており、申請負担が低い点が特徴です。まず省力化したい工程を特定し、カタログから該当製品を探す流れで進めましょう。

IT導入補助金(建設現場のデジタル化)

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する際の経費を支援する補助金です。建設業では施工管理ソフト・積算システム・工程管理ツール・電子帳票システムなどの導入で広く活用されています。特にインボイス制度対応・電子帳簿保存法対応のシステム導入では、補助率最大75%のデジタル化基盤導入枠が使えます。

主な申請枠と補助内容

申請枠補助上限額補助率建設業での活用例
通常枠(A・B類型)最大450万円1/2以内施工管理システム・工程管理ツール
デジタル化基盤導入枠(ツール導入類型)最大350万円最大75%電子帳票・会計・受発注システム
デジタル化基盤導入枠(複数社連携IT導入類型)最大3,000万円最大2/3元請・下請間の電子受発注・EDI連携

建設業で特に活用されるITツール

活用事例:電気工事業C社(従業員14名)

課題:紙ベースの施工写真管理・日報・請求書処理が煩雑で、事務担当1名が残業続き。インボイス制度対応も急務だった。

対応:クラウド型施工管理システム+電子請求書システムを導入(年額利用料 約120万円)。IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)で90万円(補助率75%)を補助。事務作業を週10時間削減し、インボイス・電子帳簿保存法の両方に対応できた。

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建設キャリアアップシステム(CCUS)関連助成金

建設キャリアアップシステム(CCUS)は、技能労働者の就業履歴・資格・経験を業界横断で蓄積する国交省推進のデジタルプラットフォームです。2024年度以降、公共工事での活用が義務化・推進される方向にあり、CCUS普及を後押しする助成金も整備されています。

建設労働者確保育成助成金(CCUS活用促進コース)

建設労働者確保育成助成金のうち「CCUS活用促進コース」は、CCUSを活用して技能労働者のキャリアアップ・賃金アップを実現した建設事業者に助成金を支給する制度です。

コース助成内容助成額(目安)
CCUS活用促進コース(賃金向上)CCUSのレベルアップに対応した賃金引き上げを実施した場合1人あたり最大15万円
技能実習コース建設分野の技能実習を実施した場合の訓練費用・賃金補助経費の最大3/4(最大30万円/人)
雇用管理改善コース週休2日制導入など雇用管理を改善した場合事業規模に応じた定額助成

CCUS登録費用補助(都道府県・自治体)

国の補助に加え、都道府県・市区町村単位でCCUSの登録費用(事業者登録料・現場登録料・就業履歴管理費用)を補助する制度が整備されている地域も増えています。所在地の建設組合・商工会議所に問い合わせると、地域独自の支援策を紹介してもらえることがあります。

雇用・人材確保の助成金

建設業は少子化・若者の業界離れにより深刻な人手不足が続いています。厚生労働省所管の雇用関連助成金は、要件を満たせば確実に受給できる制度であり、採用・育成・定着促進に広く活用されています。

キャリアアップ助成金

非正規雇用の技能労働者(パート・契約社員・日雇い等)を正規雇用に転換したり、待遇を改善したりした場合に受給できる助成金です。建設業では繁閑の差が大きく非正規比率が高いため、特に活用価値が高い制度です。

人材開発支援助成金

社員に対して業務に関連する訓練(OFF-JT・OJT)を実施した場合に、訓練費用や賃金の一部が助成される制度です。建設業では、建設技術検定(施工管理技士)の受験対策研修や、新技術(BIM/CIM、ドローン操縦、高所作業安全)に関する研修で活用されています。

コース助成率上限額(1人)
人材育成支援コース(OFF-JT)中小企業:75%最大50万円
人への投資促進コース(デジタル人材育成)中小企業:70%訓練費の70%
事業展開等リスキリング支援コース中小企業:75%訓練費の75%

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

高年齢者(60歳以上)・障害者・母子家庭の母などハローワークの紹介で採用した場合に受給できる助成金です。建設業では経験豊富な高齢技能者の再雇用に活用するケースがあります。1人あたり最大120万円(中小企業・障害者の場合)の助成が受けられます。

申請前に確認すべきポイント

建設業が補助金を申請する際に特に注意すべきポイントをまとめました。製造業と共通のルールに加え、建設業特有のチェック項目があります。

建設業が補助金申請で注意すべきポイント

建設業許可番号の準備:ものづくり補助金・省力化投資補助金では業種の確認に許可番号が必要になる場合があります。申請前に許可証を手元に用意しておきましょう。

工事請負契約との経費区分:補助金の対象経費は「事業者自身が取得・使用する設備・システム」です。工事ごとの施工費用(人件費・材料費)は原則対象外です。

2024年問題への対応を訴求:時間外労働上限規制への対応(省力化・ICT化による工期短縮)を事業計画書に明記すると、審査員への説得力が増します。

GビズIDの早期取得:ものづくり補助金・省力化補助金・IT導入補助金はすべてGビズIDプライムが必要。取得に2〜3週間かかるため早めに手続きしましょう。

よくある申請失敗パターン(建設業編)

補助金活用の流れ(ステップ)

  1. 経営課題の整理と補助金の選定 「人手不足・工期短縮」には省力化投資補助金、「施工管理のデジタル化」にはIT導入補助金、「新工法・高付加価値化」にはものづくり補助金、といったように課題に合わせて制度を選びます。複数制度の組み合わせも検討しましょう。
  2. GビズIDプライムの取得 ものづくり補助金・省力化投資補助金・IT導入補助金はGビズIDが必須です。法人の場合は登記事項証明書が必要。発行まで2〜3週間かかるため、公募開始前から準備します。
  3. 見積もり取得・対象経費の確認 導入を検討している設備・ソフトの見積もりを取り、補助対象経費に該当するか確認します。高額設備は相見積もり(2社以上)が推奨されています。
  4. 事業計画書の作成・専門家への相談 ものづくり補助金は事業計画書の質が採択を左右します。建設業専門の中小企業診断士や、地域の商工会議所・よろず支援拠点への相談をお勧めします。多くの機関が無料で対応しています。
  5. 公募期間中にオンライン申請 各補助金の申請ポータルから電子申請します。公募締切直前は混み合うため、余裕をもって申請書類を準備しましょう。
  6. 採択・交付決定の通知を受ける 交付決定通知が届くまで、設備の発注・契約・支払いは絶対に行わないでください。これが最重要ルールです。
  7. 設備・システムの導入と実績報告 交付決定後に発注・導入・支払いを行い、事業完了後に実績報告書を提出します。審査通過後に補助金が振り込まれます。

よくある質問(FAQ)

建設業はものづくり補助金に申請できますか?
はい、申請できます。「ものづくり補助金」という名称ですが、製造業に限定されるものではなく、建設業・土木業・設備工事業も対象です。特にICT建機導入・省力化設備・施工支援システムの開発などで採択事例があります。「革新的な取り組み」であることを事業計画書で明確に示すことが採択のポイントです。
重機(建設機械)の購入に補助金は使えますか?
通常の重機(ブルドーザー・クレーン等)の単純購入は補助対象外になる場合が多いです。一方、ICT機能搭載の建機(3D-MG・3D-MC対応)や自律制御機能を持つ建機は「革新的な設備」として補助対象になる可能性があります。また、省力化投資補助金のカタログ製品として認定されている場合は対象になります。個別の設備については各補助金の事務局または支援機関に確認することをお勧めします。
CCUS(建設キャリアアップシステム)への登録は必須ですか?
ものづくり補助金・IT導入補助金ではCCUS登録は必須要件ではありません。ただし、CCUS関連の助成金(建設労働者確保育成助成金のCCUS活用促進コース等)を受給するには、事業者・技能者ともにCCUS登録が必要です。公共工事での活用義務化が進んでいることから、早めに登録を済ませておくことをお勧めします。
下請け専門の建設会社でも補助金を申請できますか?
はい、申請できます。元請・下請けの区別は補助金の要件に影響しません。ものづくり補助金・省力化投資補助金・IT導入補助金はいずれも中小企業・小規模事業者であることが主要件であり、下請け専門の建設会社も対象です。施工管理システムや積算ソフトの導入で活用している事例も多くあります。
キャリアアップ助成金は日雇い労働者を正社員にした場合も対象ですか?
建設業では日雇い・季節雇用が多いですが、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の対象となるには、転換前の雇用期間が一定以上(6ヶ月以上など)あることが条件です。単発の日雇いから直接正社員化する場合は対象外になる可能性があります。詳細はハローワークまたは社会保険労務士に確認することをお勧めします。
人材開発支援助成金の申請タイミングはいつですか?
訓練開始日の1ヶ月前までに「訓練計画届」をハローワークに提出する必要があります(場合によっては2ヶ月前)。訓練後に費用を助成する後払い方式なので、計画段階から早めに準備することが重要です。建設技術研修・安全衛生講習など、定期的に実施している研修を訓練計画に組み込むと申請しやすくなります。
複数の補助金を同時に申請することはできますか?
同一の設備・経費に対して複数の補助金を重複申請することは原則禁止されています。ただし、異なる経費に対してそれぞれ別の補助金を申請することは可能です。例えば、「設備導入にものづくり補助金」「施工管理システムにIT導入補助金」「採用した社員の正規転換にキャリアアップ助成金」のように組み合わせることが認められています。
建設業向けの補助金相談を無料でしてくれる窓口はどこですか?
商工会議所・商工会のほか、各都道府県の「よろず支援拠点」(中小企業基盤整備機構が運営)で無料相談を受けられます。また、建設業専門の支援機関として「建設業振興基金」が運営する相談窓口もあります。国土交通省や各都道府県の建設業担当課でも関連する助成金情報を提供しています。

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※本記事の情報は2026年5月時点のものです。補助金の内容・要件は変更される場合があります。申請前に必ず公式ポータルの最新情報をご確認ください。